ジュエリー展も終わり、工房での日常に戻りました。6日間も作業机に向かわなかったのは初めてで、早速たまった仕事に取り掛かっています。
さて今回は工房と職人のお話です。
工房はAM9:00から始まります。お昼休みを20分ほど取り、PM7:00まで続きます。この時間は業者から依頼された一般デザインのジュエリー製作です。デザイン画からの原型つくり、磨き、石留め、鋳造と仕事は多岐にわたります。
私は午後7時に一旦工房を離れ、お風呂に入り夕食を取ります。そして我が家のワン達とひと時のふれあい♪しっかりリフレッシュしたのち、PM8:00に工房に戻ります。ここからがVOFFRINNGの新作作りの時間です。集中力と目の疲れが持つ限り、深夜まで作業を続けます。
お正月と特別な予定が入らない限り、土日も休みません。うちを独立して工房を構えている職人たちも、おおむね同様な生活をしています。好きな仕事とはいえ、時間を拘束されるのは職人の宿命ですね。
仕事時間が長くて辛そうと思われるでしょうが、良いところも結構あるんですよ。
まずは、技術を取得して修行を終え、独立して工房を構える時、広いスペースがなくても大丈夫です。鋳造設備などを設置しない限り、自宅の6畳一部屋あれば整います。工具をそろえるのも、それほどお金がかからず自分の城が出来ます。時間も自分でやりくり出来ますし、自由な気がします。(気がするだけですが・・・涙)
次は、幾つになっても仕事を続けられます。現在、私の父は84歳になりますが、今も一日6時間は作業机に向かうばりばりの職人です。さすがに長時間は無理ですが、私たちの中で一番腕のいい職人であることに変わりはありません。「好きな仕事だからずっと続けたい」と言う、先輩の職人さんたちが多いです。
最後は常に快適な空間で仕事が出来ることです。夏はクーラーで涼しく、冬はぽかぽか。これはかなり恵まれていますね。高齢まで仕事ができるのも、この条件があってこそです。
どんな仕事も良い面と悪い面があると思いますが、「仕事が好き」と思えることが一番幸せかもしれませんね。
さて、今PM9:20。そろそろまた工房に戻りまーす♪ by kenji irikura