前回の鋳造工程の続きです。今回は、磨きから完成までを紹介します。
磨きは、先端が高速回転するハンドモーターを使います。粗い目の工具から順番に細かい工具に変えていくことで、少しずつ表面がなめらかに変わっていきます。ジュエリーの形状によって、工具の大きさや厚さを変え、磨きの残しがないようにすみずみまで磨いていきます。80%程の状態で石留めに移ります。
石留めには、爪留め、レール留め、ちょこ留めなど、いろいろな種類がありますが、今回のリングはたがねで彫りながら留める彫留めです。石留めの中でも特に技術を必要とされ、腕の良し悪しが直接ジュエリーに反映されます。また、金属に埋め込んで留めるため、爪がセーターなどに引っかかることがありません。数種類のたがねで細かく彫られた跡はダイヤモンドとともに、きらきらと光ります。
最後にもう一度磨きます。10倍のルーペで検品をしながら。細かいキズを取り除き鏡面に仕上げていきます。鋳造から最終仕上げまで丁寧な仕事が必要です。18金ダイヤモンドリングの完成です。 by kenji iIrikura