[工房でジュエリーを作るって] Part 3 by kenji
前回、CADによるオーダー方法をご説明しました。上手くお伝え出来ていればいいのですが・・・
とにかく「一から作れます」「気軽にご要望をお聞かせください」
そして一番お伝えしたかったのは「あなたのジュエリー工房&ジュエリー職人を持ちませんか」という事です。
それでは今回はジュエリーの価格のお話です。ジュエリーは原価(地金+宝石+加工賃)プラス経費を含む販売利益で価格が決まります。
地金と宝石は相場があり、どこも、ほとんど違いがありません。加工賃は、大量生産・海外生産などにより多少違いはありますが、現在はコストダウンが行き着くところまで行って、大きな差はないと思います。
このような中でも、業界では原価を下げるための企業努力に励んでいます。もちろん、販売価格に直結する原価を下げる努力は、お客様にとって良いことなのは間違いありませんが、あまり好ましくないものも目につきます。
例えば、20年前に比べて最近のジュエリーは明らかに細く、薄くなっています。原価を下げるためにどんどん軽く作るようになっています。過度な軽量化は、時にはジュエリーが変形してしまったりすることにもつながります。
私は特にマリッジリングは、長い期間、常に身に着けるものですので、長くご愛用いただける、しっかりしたものをおすすめしています。
宝石については、皆さんもご存じのように品質で価格が変わります。ダイヤモンドの場合、カラー・キズによってかなり価格相場は変わってきます。
例えばカラーでは、イエロー、ブラウンは安く、ピンクはとても高額です。といってもイエローやブラウンが綺麗ではない、という訳ではなく、デザインによってイエローやブラウンの特徴を生かした素敵なジュエリーを作ることが出来ます。
重要なのは、きちんと宝石の品質や特徴を説明して、お客様のご希望に合ったものを提案、提供する、ということだと思います。
次に、販売利益、経費についてです。ジュエリーショップやデパートの宝飾品売り場にはたくさんのジュエリーが並んでいます。お店の在庫にかかる費用は数億円を超えてしまうでしょう。
ジュエリーは回転率が悪く、数年のうちにデザインが古く感じられるものも少なくありません。
ブランド力を高めるために、良い立地で高級感あふれる店づくりをするためには、大きな経費がかかります。
このため、小売店では一つの販売で大きな利益を生まなければ成り立たないのが現実なんです。
でも誤解して欲しくないのですが、多くの小売店では、お客様のご要望に応えるべく、多くの商品を用意し、満足していただけるサービスを提供する中で、少しでも安く、利益ぎりぎりで抑える努力をしています。
昔は購入するところによって価格が大きく違うということがありましたが、近年はネットが普及し、情報がいきわたると共に自然と競争が生まれ、以前に比べ価格は適正になってきているように感じられます。
しかしながら、まだまだ問題があるのも事実です。中には何社もの中間業者が入り、信じられないような価格設定、不正確な品質説明、稚拙な技術による不良品など、目に余るようなことも耳にします。このような事は許されないことです。
ジュエリーは高額な商品です。だからこそ、お客様と売り手の間の信頼関係が何よりも大切です。
「商品について誠意を持って説明し、心を込めて全力で製作する」
これこそがジュエリー販売の必要不可欠な基本だと思っています。
「工房でジュエリーを作るって」をPart 1~Part 3までお話しさせていただきました。
現在ジュエリーを購入する方法は色々あります。ネットショッピング、TVショッピング、店舗でのショッピングなど。
おしゃれな街の素敵なお店で、一つ一つ手に取り、選ぶのはとても楽しい時間です。もちろん、それも素晴らしいです。
ジュエリー工房入倉宝飾があるのは、おしゃれとは言えない街です。(最寄駅は東武東上線、大山駅、大山ハッピーロード商店街はTVで度々取り上げられていますが)
お打ち合わせも工房内になり、たくさんのジュエリーの在庫も持ち合わせていません。(VOFFRINGのサンプルはご覧いただけます)
ただ、それだからこそ出来ることもあると思い、ジュエリー職人としておすすめします。
何より、作り手からお客様へダイレクトにお届け出来る利点は大きいです。
Part 2でご紹介したCADによるフルオーダーに関しては、私が責任を持って作り上げられるのは現在、月に2~3名様で精一杯だと思います。
「工房でジュエリーを作るって」おもしろそうだな、と思われたら、お気軽にご連絡ください。
新しいジュエリーとの出逢いをご提案させていただきます。
犬のモチーフジュエリー「VOFFRING」もどうぞよろしくお願いいたします。