今年も手強いデザインの怒涛の制作依頼に、あっという間に上半期が過ぎました。VOFFRINGの新犬種がなかなか完成できず、もやもやしていますが、工房は忙しく活動しています。
ジュエリーの流通経路は[工房]→[ジュエリーメーカー・デザイナー]→[商社・ジュエリー問屋]→[小売店・百貨店]もっと間に業者が入ったり複雑ですが、基本このようなルートで販売されることが多いです。
私達にはデザイナーから小売店まで幅広く制作の依頼が来ます。大量生産の簡単なデザインのジュエリーは人件費が安い海外生産に回されることが多く、私達には必然的に難しいデザインが依頼されることになります。毎回緊張の日々を過ごしますが、完成の達成感や、依頼者を驚かせた時の喜びを想うと、制作に没頭できます。
ジュエリー制作は工具や機械はかなり発展しましたが、今も人の手で作る工程がほとんどです。職人の良し悪しはどこで決まるのでしょうか?
長年たくさんの職人を見て来ました。器用、不器用、口が悪い、頑固、偏屈、いろいろな人がいますが、職人にとって一番大切なのはやはり「こころ」だと思っています。
誰にも負けたくないという「こころ」は、技術を向上させます。
良いものを作りたいという「こころ」は、妥協をしない強い信念を育てます。
喜んでもらいたいという「こころ」は、信頼を築けます。
そんな「こころ」を持って生きて来たかどうかで、10年20年経った時に、職人として大きな差になるでしょう。
今も、今年一番難しいと思われるデザインの原型作りに入っています。仲間の職人たちと喧々諤々やりあいます。
「また今回も難しいなー」「もっと簡単なのないのかよー」「これじゃ、キレイに留まらないよ」と言いながら、皆なぜかニヤニヤしています。
物づくりやっぱり楽しいです♪ Kenji Irikura